早期退職で失敗する人とは?~「定年=リタイア」ではない時代に、50歳から生き生きと働き続けるために~(前編)

コラム&インタビュー

《その③》根拠なく楽観する人

大企業で一定のポストに就き、高い収入を得ている人には、自分にそれだけの社会的価値があるという自信とプライドがあります。そのために、自分の市場価値や相場を調べることもせず、根拠なき楽観主義に陥いる場合があります。「大手の管理職の自分なら中小企業の仕事など簡単に務まるはず」「転職先の年収は、贅沢は言わずとも700万位は欲しい」等々。

しかし、そもそも大企業の管理職世代が得ている高額の年収は、初任給や若手時代に低く抑えた分、後払いで高く支払う年功序列型ゆえ。現時点での本人の能力に対する対価ではありません。自分の転職後の市場価値を正しく見積もれば収入半減以下の可能性もあり、その覚悟も必要なのです。さらに言えば、セカンドライフで実際にどれだけの収入が必要なのか、現実的な生活レベルの見直しも必要でしょう。その準備も覚悟もない人は、辞めてはいけません。

拙著『50歳からの逆転キャリア戦略 「定年=リタリア」ではない時代の一番いい働き方、辞め方』(2019年11月19日発行、PHP研究所)では、ミドルがキャリア自律に自ら取り組むために、上記の辞めてはいけない7つのタイプの詳述をはじめ、「お金、肩書き」から「働きがい」へとキャリアの軸を移すための心構え、また自分の会社を「学び直しの宝庫」としていかに活用していくかを具体的に提案します。そして、50歳からの働き方を変えていく内省のための「7つの質問」を投げかけ、逆転キャリア戦略を立案するためのワークシートも提供しています。50歳からの20年30年を生き生きと働き抜くキャリアのために、ぜひ参考にしてください。

後編に続く