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副業促進をどう捉えるか?(前編)~お金を稼ぐ「副業」思考ではなく、キャリアビジョンを実現する 「福業」思考を持とう~/編集長・前川孝雄の「人が育つ現場論」

政府が成長戦略で副業・兼業を促進

政府は、この夏に取りまとめる成長戦略の柱に「副業・兼業の促進」を改めて掲げ、環境整備を図る方針を打ち出しました(日経新聞記事5/16・23、第28回未来投資会議資料6/5など)。その背景には、少子化による生産年齢人口の減少で労働力不足が深刻化するなか、70歳までの雇用確保や中途採用・経験者採用の拡大などと共に副業・兼業促進による労働力確保を図るねらいがあります。具体的な促進策としては、企業向けのガイドラインやモデル就業規則の普及、健康確保や労働時間管理のあり方、労災補償のあり方、地方の中小企業の人材確保ニーズとのマッチングのあり方などを検討し、整備推進していくこととしています。

大企業の5割が副業を解禁、メガバンクにも及んだ波

そうしたなか、既に大企業の5割で副業解禁が進んでいるとの調査結果が報告されました(日経新聞5/20)。日経新聞社が東証1部上場企業などにアンケートを行ったところ、回答120社中の約半数の企業が社員に副業を認めているとの結果です。副業のメリットを聴いたところ「社員の成長やモチベーション向上につながる」「社員のセカンドキャリアの形成に資する」などが多かった一方、課題については「社員の労務管理が困難」「副業中の労災や不祥事などのリスク」などが多かったとのこと。上場企業は1部だけでも2000社以上ありますので、回答企業120社の傾向から企業の半数が副業解禁とはいえませんが、運用上の課題はありながらも副業解禁の広がりが窺えます。

こうしたなか、みずほフィナンシャルグループがメガバンクでは初めて副業を解禁しました(日経ビジネス6/4~5)。また、三井住友銀行では、全面解禁ではないものの、年功型給与制度を改め定年を65歳に延長したうえで、60歳以上で週3日の勤務を条件に副業を認めるようです(日経新聞4/16)。もともと情報管理が厳格な上に伝統的な日本型雇用企業の代表格であるメガバンクまでが副業解禁に踏み切ったことには、大きなインパクトがあります。

サイドビジネスとしての副業は疑問

こうした副業解禁の動きをどう見ていくか。この【前編】では、まず働く個人の側の視点から、副業解禁の意味や捉え方について考えてみたいと思います。

社員の立場からすると、「今の世の中、今後給料は上がらない。税や社会保障負担も増えるばかり。老後は2,000万円不足すると言う審議会報告報道も気になるし、個人でお金を貯めなければならない…。」それならば、解禁された副業で副収入を得ておこうと考えがちです。しかし、単なるお小遣い稼ぎや収入補填のためのサイドビジネスとして副業を考えることを私は推奨しません。目先の小遣い稼ぎを主な目的にしてしまうと、自分のキャリア形成や成長にとってプラスにはならないからです。

もちろん、現在の日本社会では、望んでも安定した仕事に就けず、非正規雇用や業務請負などで低賃金に苦しみ、経済的に複数の仕事を掛け持ちせざるを得ない人が多くいることも事実ですし、そうした不安定就労の問題は別途解決が必要です。しかし正社員のキャリア形成と成長のあり方にフォーカスして考えるならば、副業は別の角度から考えることが大切です。

次ページ>>「副業をキャリアビジョン実現のための自分磨きと成長のチャンスと捉える」

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