早期退職で失敗する人とは? ~「定年=リタイア」ではない時代に、50歳から生き生きと働き続けるために~(後編)

コラム&インタビュー

50代前後のミドル層で「早期退職で失敗する人」とはどんな人たちか。前編に引き続き、7つのタイプに分けて見ていきましょう。後編では、《その④》~《その⑦》までをご紹介します。管理職やミドルご自身は自己チェックのために、また人材育成担当者はミドル社員のキャリア自律支援をいかに進めるかの視点から、読み進めてください。

《その④》自分を客観視できない人

「上司が自分を正当に評価しない」との理由で辞める人は少なくないものです。上司への不満や上司と折り合わない悩みは、多くの組織人に共通します。中には理不尽な上司もいるでしょう。しかし、上司への不満ばかりを語り、感情的な行動に走る人は、往々にして自分を客観視できていない傾向があります。自己評価と上司からの評価が違う場合、客観的には上司評価のほうが妥当性が高い場合が多いものです。特に大企業の評価システムでは、上司は自分の個人的感情だけで部下を評価できず、多面評価や人事部署からの情報も踏まえている場合も多いでしょう。つまり、自己評価は主観的で高めなのに対して、低く感じられる他者評価のほうが実像に近いものなのです。

そもそも上司からの評価が低く関係が良くないのなら、それをいかに改善・解消するかもキャリア自律したプロフェッショナルに求められる力のうちです。上司との人間関係を理由に転職しても、また同じことを繰り返します。起業・自営業に転じたら「顧客が評価してくれない」とこぼしても、はじまりません。それを改善し、価値を提供するのが仕事です。そうした人間関係力構築の修練ができないうちに辞めるのは危険です。