上意下達のマネジメントを劇的に変えた管理職向け研修とは?/日本郵便㈱-前編

コラム&インタビュー
日本郵便株式会社
2007年の民営化にて、日本郵政グループ(日本郵政株式会社、郵便事業株式会社、郵便局株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険)が発足した後、2012年の郵便事業株式会社と郵便局株式会社の合併を経て、日本郵便株式会社が誕生。主に、国内・国外郵便サービスを提供する郵便事業、ゆうパック・ゆうメールなどの荷物運送サービスを行う物流事業、アジアを中心とした国際物流事業、銀行や保険をはじめとする金融窓口事業などを展開している。現在、社員は約40万人(期間雇用社員含む)、管理職層は約3万人にのぼる(2019年1月現在)。

すべてのプログラムの土台となる「一人ひとりを大切にするマネジメント」というコンセプト

近年、大企業を中心に、研修を外部に委託せず、自社内で「内製化」する動きが進んでいる。産労総合研究所の「2018年度教育研修費用の実態調査」によると、内製化に取り組んでいる企業は約7割にのぼるという。特に企業規模が大きいほどこの傾向が強く、1,000人以上の従業員を持つ企業では内製化に取り組んでいる企業が約8割、299人以下の企業では約5割という結果になっている。

日本郵便も研修内製化を進める企業の一つだ。従業員育成を担う同社の人材研修育成室では、2014年4月から管理職層のマネジメント力強化を目標に掲げ、大規模な育成改革を推進。その一環で「長期マネジメント研修」という、管理職層を対象としたオリジナル研修を実施している。同研修を推進しているメンバーの一人である吉澤尚美氏は、その特徴について次のように語る。

「長期マネジメント研修は、全国の郵便局長向けに実施している研修です。3週間泊まり込みで、リーダーシップやマネジメント力の向上を目指します。この研修の特徴は、すべてのプログラムにおいて、一貫して『一人ひとりを大切にするマネジメント』というコンセプトを強く打ち出している点にあるんです」