50代からの働き方を考えるシンポジウム バブル世代のキャリアシフト ~ミドルの覚醒が会社を元気にする~/㈱FeelWorks主催シンポジウムレポート

コラム&インタビュー

株式会社FeelWorksは、去る6月26日(水)、「50代からの働き方を考えるシンポジウム バブル世代のキャリアシフト~ミドルの覚醒が会社を元気にする~」と題したイベントを開催。株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT編集長の藤井 薫氏、ソニー株式会社 人事センター EC人事部 統括部長の大塚 康氏、株式会社ディスコ サポート本部 人財部 企画チームリーダーの野上健史氏をパネラーとして招き、バブル世代の自律的なキャリア形成や、バブル世代の活躍を支援する先進的な企業の取り組みについて、プレゼンテーション&ディスカッションを行った。以下、当日のイベントの内容をダイジェストでレポートする。

前川 孝雄 ●人を活かす鍵は「ミドルの覚醒」

キーワードは「キャリア自律」 ミドルの力は今こそ必要とされている!

基調講演は本シンポジウムの趣旨説明を兼ねて、株式会社FeelWorks代表取締役の前川孝雄から。年功序列・終身雇用を前提とした日本企業の組織構造が破綻しつつある今、企業には65歳までの雇用延長が義務づけられ、さらなる延長も検討されている。50歳前後の「バブル入社組」の多くが、今後のキャリアに関して大きな不安を抱えるようになっている。企業もバブル世代の処遇に頭を悩ませ、結果として「社内失業」状態に追い込まれている人たちも少なくない。

一方で、キャリアに行き詰まるミドルの姿は、それを目の当たりにしている若手のモチベーション低下や早期退職という新たな問題にも影響を与えている。問題は、年功序列で高まった給与に見合う働きを見せられないミドルの姿に若手が落胆するのみに留まらない。FeelWorksでは創業以来、大手企業を中心に400社以上で、部下を育て活かす「上司力研修」を開講し、ミドル世代当事者である上司の悩みを聴き続けてきた。終身雇用を信じ辞令一枚で出張・転勤や長時間労働を厭わず働いてきたこの世代は、いま働き方改革に追われ、自身のキャリアを考える余裕を持てないでいる。この中でひしひしと感じる悲劇は、そんな上司が、キャリア意識が高まってきた若手部下の支援を求められ苦悩するという構図だ。バブル世代の覚醒を促すことは、当のバブル世代はもちろんのことだが、企業にとっても喫緊の課題といえるものだ。

50代ともなれば会社員生活も最終コーナーであり、定年まで無難に過ごしたいと考えいてたのも今は昔。人生100年時代を見据え、もう一度学び直し、活躍に向けて社内外でもう一勝負する姿勢が求められる。まさにキャリアシフトだ。欠かせないキーワードは「キャリア自律」だ。今日のシンポジウムでは、専門家や先進企業の取り組みを通じて、参加された100人の企業人事の皆さんが自社で、ミドル世代のキャリア自律に向けた挑戦を始められることを願っている。