評価ではなくゴールセッティングとフィードバック。オープンコミュニケーションで、一人ひとりが才能を発揮できる/株式会社ユーザベースー後編

コラム&インタビュー

「思い」を持った人が行動し、伝えるから組織全体が動く

前川:人事評価の点に関してはどうですか?

西野:当社では評価とは言わず、GSFB(ゴールセッティング・フィードバック)と言っています。自分の行く先を自分で決めてそこに向かって真っ直ぐ走る。それに対して周囲がフィードバックするというものです。そのゴールセッティングのタームも事業ごとに自由にしています。

加えて、成長の物差しとしてのコンピテンシーを設けています。これは全社共通のものだけでなく、職種レベル、チームレベルでも細かく定義しています。ですから、新しいチームができたら、リーダーはまず自分たちのコンピテンシーを創らないといけない。

宮原:このコンピテンシーも全社的にオープンにされています。当社では360度フィードバックを導入しているのですが、その中身までオープンにされている事業部もあります。丸裸ですよね(笑)。

西野:ただし、360度フィードバックをオープンにやることは心理的安全性が下がるリスクがあると思います。だから、決して個人攻撃が目的ではなく、会社やチーム、そしてメンバー一人ひとりの成長のためのフィードバックなんだということを徹底して伝えることを大切にしています。

前川:お話をお伺いしていると、御社のような個を尊重しながらも組織としてまとまり成長するカルチャーを創り上げるには、目的や意味をどのように伝えるかが大切なんだと改めて感じました。決してそれだけを当て嵌めれば機能する便利な制度や仕組みがあるわけではないと。

西野:「思い」を持った人が伝える、そしてそれ以上に「思い」を持った人がやるということが当社のカルチャーを創ってきましたし、それは今後も変わらないと思います。