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「同一労働同一賃金」の課題を深掘りする! 真に求められる改革とは何か/編集長・前川孝雄の「人が育つ現場論」

働く一人ひとりが自律的なプロフェッショナル人材になる覚悟が必要

前述のとおり、日本の非正規社員の仕事は「ジョブ型」とは言っても、オペレーション業務が多く、専門的・安定的な内容とは言えません。もちろん、非正規社員の人たちの処遇を向上させること自体は悪いことではありません。しかし、実は、その点だけがクローズアップされることで、ある意味で本人たちの「ぬか喜び」に終わらせてしまうのではないかと心配しています。

実は、今後、働く人一人ひとりにとって本当に大切なことは、各自が「自律的なプロ」となり、自分の力で「稼げる力」をもつことです。ですから、処遇改善だけを先行させるのではなく、そうした大事なメッセージを同時に伝え自覚を促すのでなければ、かえって酷なことになります。これからは、各自が自分の強みを活かし、自律的に仕事をして、顧客や社会に貢献し続けられるプロフェッショナルとなって、会社とも対等の関係で契約できることが強烈に求められる時代になります。

これは、正社員についても全く同じです。産業・経済のグローバル化のなかで、従来の終身雇用・年功序列の「メンバーシップ型」をそのまま享受し続けることは難しいことを自覚し、一人ひとりが自分自身のプロとして働く力と将来のキャリアを自律的に切り拓いていく覚悟をもたなければなりません。

若手をしっかり育て上げ自律型人材としての活躍を応援する「ハイブリッド型」雇用が望まれる

それでは、今後、どのような雇用・人事制度や人材育成のあり方が求められるのでしょうか。

私が推奨するのは、日本型人材育成の良さを活かしながらも、社員が自律型人材として自ら働きがいを創造しながら成長し活躍できる「ハイブリッド型」雇用です。日本特有の新卒・若手社員の一括採用と、一人前になるまで社内で大切に育て活かす仕組みは貴重であり、若年失業者が溢れている世界の中で、誇るべき優れた人材育成システムです。各企業は「人が育つ現場」づくりを目指し、時代にマッチしたOJTによって一人ひとりの若手社員に働く人としての基礎をじっくりと身につけさせながら、仕事と職場へのエンゲージメントをしっかり育てていく。一人前の仕事力を身につけさせるためには、業種や職種によって3年、5年、10年などと異なりますが、この一定期間を経た社員は「ジョブ型」の人事制度に移行する。そして、ここからは、各社員の能力、希望、生活条件等に応じた働き方を柔軟に選びながら、自ら自律型人材として生涯にわたって学びつつ成長・活躍できる仕組みを整える。そのなかで、各社員が仕事に応じた処遇を得ていく形とするのです。

こうした方向こそが、あるべき「同一労働同一賃金」を目指し、働く人を活かし企業の生産性向上を図るための真の働き方改革だと考えます。

 

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