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ミドル・シニア活躍への提言 第1回「5つの躍進行動」の実践をバックアップする/石山恒貴氏  法政大学大学院政策創造研究科研究科長・教授

役職定年制度や定年延長制度を採用する企業が増加するなか、「働かないオジサン」「社内失業する中高年」といった言葉がメディアを飛び交い、ミドル・シニア(40代後半~50代)のモチベーション、パフォーマンスの低迷を問題視する風潮が高まっています。このようなミドル・シニア問題を生む要因はどこにあるのか? ミドル・シニア社員本人、制度・研修など施策を講じる人事担当者、現場をマネジメントする管理職、それぞれ求められることは何か? 本連載では、有識者・経営者が独自の視点から、ミドル・シニア活躍の実現に向けた提言を行います。

 

  近年、ミドル・シニア問題が大きくクローズアップされていますが、なぜこのような状況が生じているのでしょうか?

石山 様々な要因が考えられますが、最も大きいのは、日本型雇用の構造的な問題です。日本の会社員の多くは、新卒一括採用で入社した後、20年以上にわたって、幹部への昇進・昇格を目指した競争に身を置くことになります。そして、競争の過程で少しずつ、ライン上を走り続ける人とラインから外れる人の選別が進んでいく。

そのため、40代半ばくらいまでは、「出世」という強い動機づけのもとで懸命に働き続けるのですが、出世競争に決着が付き、昇進・昇格の道が絶たれると、先に待っているのは役職定年・定年延長・定年後再雇用ということも多い。肩書・収入という動機づけがなくなり、残りの会社員生活を無難に過ごすだけの引退モードに突入してしまいます。

 

  それがミドル・シニア問題を生むメカニズムの一端なのですね。しかし一方で、同じような状況下でも意欲を失うことなく、前向きに仕事と向き合い、活躍し続けるミドル・シニアの方もいます。両者にはどこに違いがあるのでしょうか?

石山 2017年にパーソル総合研究所と共同で実施した調査から、活躍するミドル・シニアに共通する5つの行動特性が明らかになりました。

仕事を意味づける
・業務が経営にどんな意味があるのかを理解するようにしている
・業務にどんな意義があるのかを、新しく捉え直すようにしている

・個々の業務を行うときは、全体に位置づけを考えている

まずやってみる
・まずやってみて、修正していけばいい
・新しいことを試すなら、失敗をしてもかまわないと思う

・前例や枠にとらわれずに仕事をするほうだ

学びを活かす
・経験したことを分析している

・応用が利くように仕事のコツを見つけている
・自分なりのノウハウに落とし込んでいる

自ら人と関わる
・他部門と積極的にコミュニケーションする
・なるべく多様な人々との関わりを増やすようにしている

・積極的に異なる意見や主張を周りから引き出す

年下とうまくやる
・年下の上司でも、割り切って仕事を進める
・仕事を進める上で、相手の年齢にはこだわらない

・年下の人の指示を素直に受け入れることができる

出典:株式会社パーソル総合研究所/法政大学 石山研究室「ミドル・シニアの躍進実態調査」

私たちはこれらの行動特性を「躍進行動」と呼んでおり、「躍進行動」の実践が仕事のパフォーマンスに好影響を及ぼすことも確認されています。


  なかでも、「➀ 仕事を意味づける」は特に重要なのではないでしょうか。ミドル・シニアの活躍推進の第一歩として、昇進・昇格に代わる新たな動機付けや目的設定が不可欠なように思います。

石山 そうですね。活躍しているミドル・シニアは、自らの仕事に対して、外的キャリアではなく、内的キャリアに基づいた意味づけを行っています。外的キャリアによる意味づけとは、「この仕事は出世に有利」など、ポストや報酬などを基準に仕事を捉える態度。内的キャリアによる意味づけとは、「社会や組織の課題解決に貢献できるか」「自身の専門性を活かせるか」など、働く意義や喜びを基準に仕事を捉える態度です。

ひらたく言えば、活躍しているミドル・シニアの方は、自分の「やりたいこと」「得意なこと」が何かを考え、そこにコミットしようとしているということです。しかし、現在のミドル・シニアは、「やらなければならないこと」に追われ、「やりたいこと」や「得意なこと」を考える余裕などない、もしくは、あえて考えないようにしてきたという方が大半なのではないでしょうか。長らく日常に忙殺され、働く意義や喜びを見失っている方もいることでしょう。

ですから、モチベーションが下がっているミドル・シニアの方には、あらためて「やりたいこと」「得意なこと」を見つめ直していただき、仕事の意味づけについて考えてもらえたらと思います。仕事の意味づけが明確になれば、そこが起点となって、他の「躍進行動」の実践にもつながっていくはずです。

なお、「躍進行動」については、私の最新刊『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(ダイヤモンド社)で詳しく解説していますので、関心のある方はご一読ください。

 

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