評価ではなくゴールセッティングとフィードバック。オープンコミュニケーションで、一人ひとりが才能を発揮できる/株式会社ユーザベースー前編

コラム&インタビュー

採用ではミッション共感度を重視。個々の人生のミッションとの重なりを問う

前川:個人と会社のベクトルの違いが問題になることはないですか?

西野:それはあまりないですね。強制的に同じ方向を向かせようとはそもそもしていませんから。また、当社には「採用の3つの誓い」があって、そのうちの一つがミッション共感度を大切にするということなんです。

単に会社が掲げるミッションに共感するかどうかということではなくて、自分の人生のミッションと会社のミッションとがどれだけ重なっているかというところを最重要視して面接で見ています。

前川:自分のミッションが会社のミッションとかけ離れている人はそもそも入ってこないわけですね。

西野:入社後に3年とか5年といったサイクルで見直すと、自分のやりたいことと会社がやりたいことにズレが生じてくるということもあると思います。ただ、そうなったら才能の塊なので辞めて外で自由にやるでしょうし、会社としてもそれでいいと考えています。そしてまたやりたいことが一致するときが来たら戻ってくればいいんです。

宮原:インターンで入って、数年働いて自分のやりたいことが固まったら起業するというケースもありますね。

前川:ここまでのお話で、採用が一つ重要なポイントだということがわかりました。ところで、御社は新卒採用をしていないとのことですが、インターンからの採用はあるんですか?

西野:長期インターンは常時40~50人はいます。その中で成果を残して、この会社に入りたいという強い意志のあるインターンは入社というパターンもあります。当社はいわゆる新卒採用はしていなくて、インターンからの採用も中途採用に近い感じですね。だからみんな新卒らしくない(笑)。

宮原:インターンの時期にプロジェクトを回したりしていますから。

前川:それはすごい。それにしても、インターンからマッチングを重視して採用するというのは良い仕組みですね。一般的な新卒採用のように、エントリーシートとか、SPIとか、面接だけでは本当の相性はわからないところもありますから。インターンからの採用をNGとするのはナンセンスな話で、長期インターンでお互いの相性がわかれば、こんなに良いことはないわけですから。

後編につづく

株式会社ユーザベース
「経済情報で、世界を変える」をミッションに、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」、経済情報プラットフォーム「SPEEDA」など、7つのグループ会社を擁する急成長企業。創業は2008年。現代表取締役はそれぞれ創業メンバーである梅田優祐CEOと稲垣裕介COO。2016年、東京証券取引所マザーズ市場に上場。シンガポール、中国、香港、スリランカにもグループ会社を設け、米Quartz Media, Inc.を買収するなど、海外進出にも積極的に取り組んでいる。

構成/伊藤敬太郎