盛り上がる「休み方改革」気運への違和感

コラム&インタビュー

仕事、生活を自律的に組み立て楽しむワークライフマネジメントを取り戻す

1940年代までは、全国的に見れば働き手の多くは自営業者および家族従事者でした。自宅の前に田畑・農場や漁場があり、または自宅に併設の工場や店舗があって、職住接近のなかで家族全員が生活と仕事を行き来していたのです。そこでは、残業の弊害や、過労でメンタル不調となる懸念や、ワーク・ライフ・バランスへの心配といったことが問題になることもなく、自分たちでやりくりしていました。現在のように仕事と生活が分離し、他律的に時間を管理される働き方、生き方が主流となったのは、ごく近代のことと言えるのです。

人は本来、仕事とプライベートな時間を自律的にマネジメントして、自ら働きがいと生きがいを追求しながら生きていくことで自然体でいられるはずです。今日では、人生100年時代におけるキャリア自律の重要性も認識され始めました。真の働き方改革の先に、ぜひこうした仕事と人生のあり方を考えたいものですし、ワーケーションの発想や取り組みが、そうした動きを促進する一助になることを期待します。

前川 孝雄
(株)リクルートで「リクナビ」編集長等を経て、2008 年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に(株)FeelWorks設立。約400 社で「人が育つ現場」づくりを支援。2017年に(株)働きがい創造研究所設立。著書は『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)他多数。前川孝雄の「はたらく論」(ブログ)随時更新中!