若手社員を「自燃」させ、早期育成・戦力化を目指す独自の育成施策とは?/サッポロホールディングス㈱-前編

コラム&インタビュー

越境プロモータープログラムを通じて、若手社員たちに表れたキャリア観の変化

参加者たちのキャリアの可能性を広げることも、同プログラムの大きな目的の一つだ。越境チームは、主に若手社員を中心としたメンバーで構成されている。チームリーダーは30代中堅社員に、チームメンバーは20代後半の、上位役割に昇格した社員が対象となる。プログラム開始から3年が経過し、少しずつ参加人数も増えてきた。プログラムへ参加した若手社員の一人からは、「本社の業務を知れたことで、今後の自分のキャリアを描きやすくなった」という声も上がっているという。

「具体的な業務内容に触れたことで、『本社部署で働きたい』という意欲を高める人もいますし、自分に不足している経験・スキルが見えてきて、『現場でもっと頑張ろう』と気を引き締める人もいました。プログラムを通じて、彼ら自身のキャリアについての考え方にも変化が表れたようです」

2016年のスタート時には、本社の2部署のみで展開されていたプログラムだったが、2017年は6部署、2018年は8部署と、徐々にその範囲を広げつつある。今後の展望を渋谷氏に聞いた。

「一つ目に、グループ横断でのプログラム展開を考えています。越境プロモータープログラムの開催は、現状サッポロビールのみ。他のグループ企業である、ポッカサッポロフード&ビバレッジ、サッポロライオンをも巻き込み、全く異なる事業・会社への『越境』を試みることで、これまで以上に参加者たちの視野やキャリアの可能性を広げることができると考えています。二つ目に、参加対象者の拡大です。現在はマネージャーや課長代理への昇格の際に、希望者を募っています。ちょうど役職が上がるタイミングであるため、向上心やモチベーションが高いだろうという意図からです。しかし、モチベーションの高さは役職で決まるものではありません。今後は、入社2,3年目程度の従業員でも応募ができるように、制度を整えていく必要があると思っています」

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