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副業促進をどう捉えるか?(後編)~社員を囲い込まず、「福業」で越境支援できる企業がイノベーションを起こせる~/編集長・前川孝雄の「人が育つ現場論」

シェアオフィスでオープンイノベーションの種を探す

先般、話題のシェアオフィスWeWork丸の内を見学しました。WeWorkは2010年にニューヨークで発祥し、現在100都市500拠点で展開し利用者は40万人を越えているとのこと。日本でも都内16か所、横浜、名古屋、大阪、福岡など22か所で開業しており、今後全国主要都市に拡大する予定とのことです。丸の内オフィスでも、オーペンで快適なスペースに、フリーランス、スタートアップIT企業や大手企業まで多彩な利用者が入居していました。

2か月からの利用が可能で、利用形態はフリースペースを利用する「ホットデスク」から、大部屋内に1席から借りられる「専用デスク」、1人から数百人規模まで利用できる「プライベートオフィス」など。オープンなコミュニティスペースでは毎日のように入居企業や個人による多彩なイベントやセミナーが開催され交流も盛んとのことです。また、WeWorkのメンバーなら全世界のオフィスを全て利用可能で、メンバー同士のSNSでのコミュニケーションも可能です。

注目すべきは、大企業があえてプロモーション利用のほか、新規事業や研究開発の部署などを入居させていることです。そのねらいは、自社の社員と多様な異業種・異職場の社員とを身近に交流させることによるオーペンイノベーションの種を得ることです。イベーションは多様性の中からしか生まれないことを認識する先進的な企業の活用によって、WeWorkのオフィスは拡大しているともいえるでしょう。

以上、いわゆる社内副業とシェアオフィスの例に注目しましたが、これらはいずれも社員の自発性と創造性の発揮、社内外での多様な体験や学びを通して自社のイノベーションへとつなげる試みであり、今後の企業戦略を考える上で不可欠の視点と言えるでしょう。こうした社内副業や異業種・異職場交流の先に副業の意義や在り方を見据えることができるのです。

したがって、副業についても上司と部下がオープンに話し合い、ビジョンの実現に適したものを選択し、両立を支援していくことが望まれますし、組織や上司が推薦や紹介をすることもよいでしょう。こうしたキャリアと副業についての前向きな対話ができる仕組みや風土がつくられることが望まれます。

ウィンウィンの「福業」創出をめざす

以上のことから、企業に求められるのは、社員一人ひとりのキャリア自律を支援することです。本人のキャリアビジョンにとって必要な仕事や経験で、今の役割で得にくいものについては、副業で補っていくことも解禁するのです。こうして社員の多様な啓発機会を創り組織のオーペンイノベーションに生かしていくのです。社員を社内に囲い込み縛りつけるのではなく、むしろ副業で会社の枠を越えて自由に伸び伸び働くことを支援することで社員が成長・活躍し、それを社内で活かせるならば社員の定着につながり、かつ企業のイノベーションにもつながるのです。

副業の解禁・支援で、企業はオーペンイノベーションを実現することができ、社員はキャリアビジョンを描き近づける。そうしたウィンウィンの関係が育まれるのです。

「副業」の副は、主たる仕事に対する副です。しかし、私は前回にも触れたとおり言葉をもう一歩進めて、幸福になるための「福業」を提唱します。それは一人ひとりの社員が、自分のキャリアビジョンを実現するために、内発的な動機付けによって、働きがいを感じながら行う仕事です。そうした社員の「福業」を認め、社員が様々な機会や経験を活かしながら充実して働き続けられるキャリアを磨けるように支援する。自律したパートナーとしての社員と企業が力を合わせて顧客や社会に貢献していけるよう努力と工夫を続ける。この対等かつ健全な緊張関係のなかで企業と個人が協働していく姿が、これからは求められているのです。

 

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